December 21, 2004

今年の最後の授業

短大での授業は今年は今日で最後で,あとは年明けに3回やって終了である。以前から一度,現場の編集者にゲスト講師として講義してもらおうと計画していた。残りの講義も少なくなってきたのと,ちょっと僕自身,息切れなこともあって知り合いの若手女性書籍編集者にお願いした。編集に興味を持つ学生が多いこともあり,夢見ているところもあって現実を教えたいのと,反面,現場で活躍する女性に登場いただいた方が,学生にとって親しみを感じるのではないか,とも考えていた。

 ただ,注意しないと私語が始まる学生たちなのでゲスト講師に迷惑をかけまいか,それが心配だった。「私語している学生は注意して回りますから」などと事前に話しておいた。ところが,これが杞憂なんですね。私語もなく真剣にノートをとりながら授業を聞いているではないか。もちろんよく準備された魅力的な授業であるからこそなのだが,僕としては「おいおい,俺の授業で私語するのは,そんなにつまらないからか?」と心密かにつぶやいていた。

 僕も知り合いの教員をとおして直接,間接にゲスト講師で呼ばれることがある。ゲストに対する学生のマナーなのか,たいていは静かな授業態度で聞いてくれてアンケート結果の評判もよい。友人の教員も,自分の授業で学期末にアンケートを採ったところ,ゲスト講師と現場見学だけが評判よかったと冗談交じりに憤慨していた。
 というわけで,「ゲスト講師は好いところ取り」と自分を慰めている。

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December 19, 2004

メトロに続く無料紙

 今日のasahi.comによれば,イギリスでデーリー・メールを発行しているアソシエーテッド・ニュースは,無料タブロイドの朝刊紙メトロに続いて,夕刊紙イブニング・スタンダードの無料版を昼に発行開始したという。
 昼食時に外出する女性会社員をターゲットにしているという。有料のイブニング・スタンダードが部数減になっても広告収入増をねらってのことという。
 新聞ビジネスは今後,民放放送のように広告収入依存型モデルに移行していくのだろうか。その結果,新聞社はニュース情報を売るのではなく,広告の取りやすい情報提供になっていかざるを得ない。

 このことは民放放送会社と新聞社のウェブサイトを比較してみるとよい。テレビ局のウェブサイトには,番組やエンターテイメント情報の案内ばかりが目立ち,今日おきているニュースは電光掲示板のようにすみで流れているだけである。テレビ局の中ではジャーナリズムとしての意識が低いのである。

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December 18, 2004

昭和記念公園のクリスマスイルミネーション

_029 街はどこでもクリスマスイルミネーションに飾られている。11月にはいると競争のように飾り始めるので,季節感もちょっとなくなってしまった。秋にホームステイに来た子が,すでに飾られていたツリーをみて,ちょっと驚いていた。アメリカでは11月末の感謝祭(Thanksgiving Day)を過ぎてから,初めてツリーを出すという。
 家族が昭和記念公園のイルミネーションを見に行くというので,学校の帰りに落ち合うことにした。昭和記念公園は立川基地の跡地を利用した広大な敷地を有している。立川駅前でありながら地平線が開け,大きな空が広がっている。
 公園を目指して駅から歩いていくと,近づくにしたがって大勢の人が列になり始める。駐車場に停めるのもかなり待たされるようだ。
 大きく広がった星空を背景に,噴水のライトアップや樹木を利用したイルミネーションが美しい。動物や機関車をかたどった光の造形には子供たちが集まり,多くの家族が写真を取り合っていた。最後に花火が上がっていた。手ぶれピンぼけの写真です。

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December 17, 2004

メガ・ブックセンターと西武

 昨日の夜は,出版学会の流通部会だった。発表は会員の青田恵一さんで,演題は「メガ・ブックセンターをめぐる攻防」であった。最近上梓された『書店ルネッサンス-進化・視察・未来・出版営業・電子ペーパー』をベースにして話をされていた。青田さんからこの本をメガ・ブックセンターの歴史から書き出している。1968年紀伊國屋書店梅田本店の開店は記憶にないが,75年の西武ブックセンター(その後のリブロ)や78年の八重洲ブックセンターの開店はよく覚えている。

 青田さんは西武ブックセンターを「モダンな商品構成や照明の演出に,新しい書店の時代を予感させた」と書かれている。確かに現代詩や演劇・映画に大きくスペースを与えた斬新な空間で,当時大学生だった僕は授業が終わると戯曲やシナリオを立ち読みしに池袋に出向いていた。

 そうそう,神保町の書泉ブックマートがビル丸ごと一つの書店なので驚いたのは,いくつのことだろうか。東京にはエレベーター付きの本屋がある,と友達に話したのを覚えているのだが。あれが僕の大型書店との出会いかもしれない。

 思い出したついでに書くと,西武ブックセンターと同じ時期に西武美術館もできていた。西武デパートの文化戦略のスタートは1973年の西武劇場(その後のパルコ劇場)のこけら落としだろうか。武満徹や安部公房,当時新進気鋭の喜劇作家井上ひさしなどの会に,お小遣いを貯めてはせっせとかよったものである。
 僕の上の世代は70年安保世代なので,西武というか堤清二による一連の活動を資本の文化略奪と批判していたようでもあるが,僕はまるで頓着なく(蜷川幸雄の日生劇場での演出が事件だったことも知らないで見ていたし,黒テントも状況劇場も小劇場も芝居というカテゴリーでしかなかった。すんません),それまでかびくさいイメージだった文化がまるでスポットライトがあったように輝いて見えていただけだった。

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December 16, 2004

大学院の友人と昼食

 社会人大学院生の仲間は,多かれ少なかれ仕事や日常の業務と研究分野が重なっている。専業院生のように勉強に多くの時間を割くことはできないが,仕事がフィールドワークの場になる強みもある。で,年齢が近いことや飲み代に融通が利く(まあ,家族持ちは辛いが)こともあって,何となく社会人どおしで呑みながら情報交換することも多い。

 職場が近い友人と,前からお昼を食べようと約束していた。同じ神田とは知っていたのだが,同じ郵便局を利用していることで,かなり近いことにわかっていた。食べるお店を任されたので,思いつきで歩いて5分ほどのスパゲッティ専門店をメールしたら,「歩いて1分」と返信がきた。なるほどビルの社員口で呼べば気づく距離だった。

 友人は地域コミュニティを研究対象としているので,前の職場も転職後の職場もうってつけの職種である。仕事と研究分野が近いことと,女子短大で非常勤講師をしている点も共通で,授業の進め方など,なかなか参考になる話を聞くことができた。

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December 15, 2004

図書館の蔵書をGoogle検索

 Googleが"Google scholar"に続く学術サービスとして,ハーバード,スタンフォード,ミシガン,オックスフォード各大学図書館,ニューヨーク公立図書館と協力し,その蔵書をデジタル化することにしたという。これは書籍本文検索サービス"Google Print"の拡張プログラムという。
 大学からすれば,蔵書のスキャニング代やデジタル化,さらに検索開発費が浮くことになるし,GoogleからすればAmazon.comやYahoo!に対抗する強力なツールを得たことになる。
アメリカにはebralyQuestiaといったデジタルライブラリー(DL),つまりベンチャー系の電子図書館がもともとある。経営が破綻してOCLC傘下になったnetLibraryが一番有名だったが,その後ビジネスとして成立しているのだろうか。

 2002年の春にアメリカに行ったときは,ちょうどDLの立ち上げ時期で興味深く見て回った。ニューヨークではebralyのニューヨーク支社が,いかにもベンチャーといった古びたビルにあり,またnetLibraryは,ちょうど経営が行き詰まった時期で訪問がドタキャンされてしまい,しかたないので本社があることで最初のパイロット校となったコロラド大学ボルダー校を訪ねたりした。

 そう,「電子図書館」は図書館だけの仕事ではないのである。「電子出版」が出版社だけの仕事ではないように。

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December 13, 2004

出版学会理事会と忘年会

 12月の出版学会の理事会は,いつも終了後に忘年会である。理事として末席を汚すようになってから5回目の忘年会である。
 2000年春に横浜のフェリス女子大学で行われた総会に呼び出されたのが,理事の始まりである。何の業績もない僕で,理事がつとまるだろうか,それにしても学会もそんなに人材不足なのか(失礼),などとそのとき思ったが,ほどなく謎は解けた。うっかりと第1回理事会の席上「新参の若造(出版界で僕の歳では,いわゆる小僧っ子だろう)ですので,ぞうきん絞りでも何でもやります」と儀礼的挨拶(笑)したら,「事務局長」に指名された。

出版界は顔の広さで仕事ができるところがあるが,ある意味では学問も同じである。情報収集に研究者同士のコミュニケーションはかかせない。日本の学会が研究者のボランティア的サロンであるのは,必ずしも否定されるものでもない。だから学会は研究機関ではなく研究支援機関なのである。

で,せっせとボランタリーに研究者のお守りをして,早5年である。

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December 11, 2004

スモールワールド

ダンカン・ワッツの『スモールワールド・ネットワーク』を読み始める。
パーティーで初めて出会った人と,偶然,共通の友人がいると知ったとき,誰でもがあげる感嘆の言葉「世間は狭いですね!(=It's a small world!)」。では,本当に世間は狭いのか?

どこかで一度は耳にしたことがあるかと思う。世界中のどこかに住んでいる誰かをランダムに選び出し,その人をターゲットにして友人をたどって手紙を出すとする。一体何人の人を介すると,ターゲットの人物にたどり着くのか。100人?1000人?それがたったの6人でつながっていく。これを「スモールワールド現象」と呼んでいる。
この社会ネットワークの神話ともいうべき現象を実証しようという研究が注目されているという。本書は,この問題を数理モデルによってブレークスルーしたワッツによる入門書である。原題は「Six degrees」である。

ハリポタのように瞬間的に起こる大ベストセラーやエイズの感染,コンピュータウイルスの蔓延,バブル崩壊,うわさ話,どれもが「スモールワールド現象」で説明がつくのだ(ヘェ~)。で,マーケティングからも注目されているという。
この神話のもとが社会心理学者のスタンレー・ミルグラム(『服従の心理―アイヒマン実験』の話は授業で聞いたな,とこれまた思い当たる)の手になるものであり,オリジナル論文を読むと,かなり誤解されて伝わっていることも本書で知った。
日本でもmixiなどのソーシャルネットワーキングサービスの成功がきっかけとなって,社会ネットワークが注目されている。基礎知識もなく門外漢のぼくにも興味深く読み進むことができた。

余談ながら,It's a small worldといったらディズニーランドである。テーマ曲がすぐにでも脳内リフレインされるのは,ぼくだけではないだろう。このテーマパークには世界は狭い,みんな友達,といった思想があるのは誰にでも伝わってくる。一方,日本で,「世間は狭い」といったら,「だから悪いことはできない」と続く。この辺が日米の文化の差,あるいは国土面積に比例した社会の違いだろうか。

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December 10, 2004

今週はXML

今日はNII(国立情報学研究所)でメタデータとXML文書について打合せ。今日は相手は違ったものの今週はXMLばかりである。

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December 09, 2004

世間は狭い

ぼく一人,知識不足でわかっていないこともあって,e-Bookの文書フォーマットについて会議で暗中模索する。仕事の企画が関係していることもあって,別な団体の主催会議でありながら,今日で三日間連続,同じ人とご一緒した。

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